良いご縁で、岩手県雫石から、りんごが届いた。
なんとこのりんごたち、有機栽培、無肥料栽培のりんごたち!
……生産者の山口さんは30年以上有機栽培
(というか、私が買い始めた7年くらい前は主に無肥料無農薬でした)
で野菜を作っている農家で、りんごも、春頃にボルドー液を使うほかは、
木酢液などだったかな、で防除しながら、落下防止剤等の薬剤は使わず、
また、無肥料で作っているそうです。
私たちの好きなりんごなので、少し、おすそ分けしたく……
無農薬のりんごといえば、奇跡のりんごの木村秋則さん。
去年は自然酪農の中洞さんの会や、タネ屋の野口勲さんの件でお会いし、
いろいろ楽しくお酒を交わしもしたが、正面切って、無肥料を伺ったことはない。
ただ、僕が中洞さん通いを続けていた20年ほど前、
ぼろぼろになって、無農薬のりんごを作っている変人がいるということを、
風のうわさで聞いて、心に残っていた、そんな思い出があるだけだ。
りんごの樹、季節によって見え方も全然違うが、
シーズン最後のふじが収穫を終えたころには雪もちらつく。
荊のようにぎくしゃく折れ曲がった枝振りに2,3の採り残しがぶらさがり、
僕が見た農園の遠景は、岩木山だったから、たぶん弘前、五所川原あたり、
それは寒々しい風景だったのを思い出す。
だから、そんなところで、りんごを無農薬で育てている木村さんという方が、
その風景の寂しい印象と併せて、ずっと気になっていた。
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この度は山口農園のりんごを食べていただき、ありがとうございます!
このりんごは農薬の代わりに石灰や重そうなど使って
カラダと地球に優しい、本物の味を目指して作ったりんごです!
……添え状によると、届いたりんごの生産者は、雫石町の山国農園、沼崎優子さん。
届いたりんごは、大ぶりで香りがいい。食感もいい。
品種がとりまぜてあって、りんごに詳しくはないんだけど、
右の黄色いのは王林、真ん中がふじかむつ? 左はジョナゴールドかな。
収穫はつがるから早く、中生でジョナや王林、北国が11月の雪に覆われるまでに、
晩生で貯蔵性の良いふじが採り込まれていく。
こんなに大きくなる前に、しっかりと摘花、摘果もぬかりはなく。
樹皮は健康だったか、大切な樹に黒斑病やサビ病はなかったか、
枝の展開は来年の豊かな収穫を約束してくれているか……
きっと、無肥料の栽培こその香り高さ、エグ味のなさなど、
体感に依る違いもきっとある。
それでもまず、肥料を使わずに育てた、
岩手県の北、岩手山の麓の地、雫石という場所の四季に、思いが巡る。
春は芽吹きの若葉とともにある純白の花が繚乱し、
健康な樹勢からモリモリ実を結ぶ夏は草いきれも強いだろう、
そしてふっと、秋風の一番を肌にわずか感じただけで、
その秋を受け止めるように樹は全体が引き締まり、
少しずつ、葉を色づかせ、その美しさを実にだけに残すように、
はらはらと落葉し、同時に樹の肌は少しずつ、落ち着いた時間を取り戻す。
あれだけみなぎっていた“いのち”は引っ込んで、
木枯らしの真っ赤な夕焼けの冬には、根っこの奥にちぢこもる。
農家の方が、そんなりんごの四季と、樹と、
どんなふうにつき合ってきたかに、思いが巡る。
この大きく育ったりんごを眺めて、よかったなぁと思う。
こんなに大きくなって、よかったなぁと思う。
この心温まるりんごを送ってくださったのは、
同じ雫石でお茶の工房を主宰している、しゃおしゃんこと前田千香子さん!
北の国も、いいもんですね。
前田さん、ありがとうございました(^<^)
お茶のお話しもまとめなくちゃですね~