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昼下がり。電話をとると、久しぶり、思いもかけずの國友さん。何のか用向きかなと思ったけど、ほんの短い立ち話のような、ここのところの國友さんのお話しを伺い…。それだけだったのだけど、そういう「用のない電話というのはなかなか楽しいもの。気持ちがなごみました。

ということで、ここのところ離れていた(失礼!)國友さんのお茶でまったりしようと、どれにしようか、やはりビンテージ! 2008年からある中から、開封済みの2010年の岩座(いわくら)をいただきました。
……

小倉山の雑木林の中に自生する実生の山茶を自然栽培し、その中でも陰地の茶木の
新芽のみを一芯二葉手摘みにし、釜炒りに仕上げました。
挿し木の栽培種と異なり岩の間へと深く根を張り、2億年前ともいわれる古生層の
岩の成分を吸収した独自の深い澄んだ味わいと、鼻腔から再び戻って香る岩韻とも
言われる戻り香をお楽しみ頂けます。
森の落葉樹の養分の味をまといながらも、岩質のミネラル分の風味がスッキリと
味全体を引き締めた様な野生の味を楽しんで頂けます。
自然の森の木々の遮光により、野生の茶葉の渋味、苦味がより柔らかでありかつ、
深みを増した風味に仕上がっています。(国友農園websiteより)

……というお茶。小倉山は、チャノキのひと株ひと株を、人の手で手入れして仕立てた庭園のような美しい茶園。人が意志を持って関わることで生まれた原風景。そこには、國友昭香さんと、幼い頃から親しんだ高知、吾北の山々との、長い時間をかけた対話が生まれている気がします。

さてお茶は。新緑、山の息吹、萌え出た初夏の芽は、時間のゆりかごでじっくり眠りについて、いい状態で枯れていったようです。熱湯1分、山吹琥珀の中間のような、透明な茶水。粘度感があります。ことりことりと杯に落とし、手にとって。鼻腔に涼しいような香りがよぎるのだけど、ふっと一瞬。あれ、だいぶ静かになっちゃったなと口に運ぶと味わいの方は強くしっかりしています。これだこの香り!國友さんのヤマチャの感覚が戻ってくる。のどごしはすっきり、もたれ感がない。というか、身体のモヤを落としていくのでスッキリするのかと。続いて胃から上が熱くなるような体感。戻り香の甘いこと、干した杯からはアジアの香り、照葉(てるは)の香り!……

こんな状態で茶葉ヒタヒタの入れ具合いを4煎、よく伸びました。いろんあ言葉づかいで感覚を表そうとしますが、やっぱり飲んで感じるのが一番ですね、これが国友さんちのヤマチャだよっていうことは(^-^) 国友農園は、先日BS日テレで紹介されて以来、多くの方から問い合わせや注文が来ているそうです。これもまたうれしいものです。おいしいお茶と、心震える風景と、山の心を、ありがとうございます!

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