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関東平野の周辺、平野が山になるあたりはどこでもふつうに見られるお茶畑。農家の生垣にもなっているし、そこが狭山や足柄などのお茶産地ならば出荷用のお茶畑もある。意外や関東地方はお茶と親しい地域です。5月11日。津久井の須藤農園さんのお茶摘みイベントに参加。楽しい一日を過ごすことができました。

今回のお茶摘みの場所、須藤農園さんは、有機農業をしている須藤章さんの農園です。相模川の中流、津久井湖に道志川が流れこむあたりにあります。須藤さんは、昨年末に相模原で開かれた「神奈川朝一サミット」で雲仙こぶ高菜など自家採種、在来種系の珍しい野菜を販売されていて知り合い、以降何度かのやりとりの中で「お茶摘みしよう!」お誘いをいただき、今回おこがましくお茶の摘み方つくり方など、助言する立場で参加させていただきました。

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見晴らしのいい丘の畑は区画もカーブで、ところどころに木立、なぜか2頭のサフォーク羊がつながれていて、とてものどかなロケーションです。東京からそんなに遠くない場所で、、知らなければ通り過ぎてしまうような場所で、こんなところがあるのかとうれしくなってしまうような場所。実り始めのさくらんぼを摘んで頬張りながら、草生でキャベツが植わっている畑のヨコを過ぎたどんづまりに、4畝ほどのお茶畑ひっそりと佇んでいました。今年遅れ霜にやられて収穫を断念したお茶畑は、簡単じゃなかった今年の天候を反映して芽立ちも葉色もとりどり、昭和の初期に植えたザイライのチャノキたちです。

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あいにく雨がポツポツ。参加の20名ほどで1芯2葉、小1時間ほどの収穫を楽しむ間を先回りして、須藤さんほかスタッフは雨天用のビニールハウスで炒り葉の段取りです。今回は釜炒り茶を手作り。セルフビルドでぜんぶを準備して。須藤さんは石窯のプロですから火の段取りはぬかりなし。道具立てはアルマイトの大鍋を炒り釜に、乾燥炒りの場所と火口2つを想定してカマドを……みんなが摘んだ葉っぱは少しでも乾かそうゴザに広げて出番待ち。ひと握りほどを試し炒りして温度や状態を確認、あとは交代で炒る、揉む、炒る、揉むの作業にみんなが参加するように流れをつくりました。


熊本のFさん、高知のKさんから教わったことは、炒り葉は焦がさず、蒸らさず。

「最初、葉っぱの1、2枚投げてみて、熱ければ焦げてくる。冷めやすいアルミの鍋だったら入れる量ば少なめにしてな、焦がさんように、冷まさんように。熱うにしてな、芯まで殺すたい。パサパサにならんうちに出して、揉む。加減は葉を見て決める…半殺しで揉んでいくと発酵するが、葉の揃いや香りの出具合でいい香りにもなる。丁寧に炒らんとうまくでけん。揉みは力を入れすぎず、中の水をじんわり引き出すように」……

ハウスの中では子どもたちも含めてそれぞれ、自然と持ち場ができてきます。なんといっても生葉を炒りながら立ち上る新茶の香りの清々しさに驚き、その香りが、お茶が仕上がるにつれ、何ともいえない香ばしさに変化していく楽しさ。そんな様子を見ながら、揉みは3回ほどでおおよその上がりとみて、10時過ぎにお茶摘みから始まったお茶づくりは午後1時ごろに終了。持参のお弁当を頬張りながら、でき立てのお茶をいただくことができました。


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