蒸し暑い夜長。月ヶ瀬岩田くんの2012べにひかりを熱ーくしていただいた。
熱湯きっちり3分。ポットからグラスに注ぐそばからクセのない、紅茶らしい香り。そして透明に発色する鮮やかなルビー色も美しい。うれしくなってしまった。爽やか系、揮発性の香りというか。渋みほどよし。いい出来ということだと思う。去年のものなのだけど、鮮やかにうまい。

岩田くんの紅茶3品種が、べにふうき、べにほまれ、そしてこのべにひかり。思い入れがすごくて、去年伺ったとき、それは熱く熱く、語ってくれた。彼の思い入れを引用します……

今から約40年前、日本の紅茶が輸出の盛んな頃、茶の研究といえば紅茶という程でした。しかし1971年の紅茶輸入自由化により、日本の紅茶産業は急速に衰退し、紅茶品種はすべて緑茶品種に植え替えられ、この40年間は空白期間となっていました。しかしかつての日本の紅茶産業の歴史は長く、品種ごとにもそれぞれ異なった歩みがあります。
べにひかりは、「べにかおり」を種子親、中国から導入系統種を花粉親として、1952年に鹿児島の枕崎で育成され、1969年に登録された紅茶・半発酵茶用品種。種子親の「べにかおり」は、アッサム種に鹿児島県の在来種を交配して育成された品種。国際的な品質水準の品種として育成されたが、1971年の紅茶輸入自由化により普及することがなかった幻の品種。この品種はインド、日本、中国の三国の系統が関わっている。世界の紅茶にはない、この品種の個性的な特徴を発揮することができれば、日本産紅茶の代表的な存在になるであろうと感じている品種です。

僕が持っているのは機械摘みのものだが、岩田くん、この紅茶の手摘みをつくってもっていた。というか、去年は萎凋させた煎茶といい、べにふうきの手摘みも、確か飲ませてもらった記憶があるが、それは毎年いろんなお茶づくりを実験しているのだと思う。べにひかりの手摘みは、6月の京都吉田山で喜喜茶の末松さんが紹介していたのだけど、その時は(岩田くんに頼んで買おう)などと考えたので買わなかった。電話しなくちゃと思いつつ時を過ごしているのだが、そのべにひかりがすごいようだ。いまさらちょうだいを言うのもバツが悪いなぁと、少し後悔しているのです(^_^;)

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