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8月29日。僕と茶農家のYさんは、東京の青梅にいた。若くして亡くなられた方のお葬式、そして偲ぶ会に出席するためだった。その悲しくやりきれない場で、Yさんの涙を見て、帰り際にお茶を受け取った。悲しいお葬式のショックもあって、2,3日ほったらかしにしていたそのお茶を、今日いただいた。

ふたりで打ち合わせ、2番茶のあたりからいろいろと試作を重ねていたものの、今年の最後のロット。在来の無肥料に近いところを、夏も終わり、硬くなり始めの茶ばたで、奥さんとふたり、摘めそうなところを集めては、いろいろといじっていたそうだ。特に夜は部屋の中で揺らしては、楽しんだと。Yさん、かなり天狗な人であるのだが、このお茶については感じるところがあったようで、僕には「萎凋はむずかしいな、むずかしいな」と何度も話しかけてくる。その葉っぱの姿が写真のもの。

試作3点ともいい出来の烏龍茶になったのではないかと思う。まず、香り。そして渋みがまとまって、ボディのある味わい。よく揉めていて煎が利いた。4煎目では、この人のお茶では感じることのなかった、アジアのお茶の香りが立ち上った。立派な回転式の殺青機を使うわけではない。手間をかけたお茶。いくつものとっかかりが見える試作茶だった。ここからお茶のことをさぐっていこうよ、そんな想いが通じたかもしれない、よろこびがこみ上げるお茶だったのでした。

ああうれしい!

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