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今月の22,23の両日、岐阜県の春日というところで、表記のシンポジウムが開催されます。
僕は関係者でもなんでもないけれど、すばらしい企画だと思い、ちゃぼぼ園の中村様からお送りいただいた資料を転載させていただきました。もしお時間ある方いらっしゃいましたら、下記にお申し込みください!

今日本で栽培されているお茶のほとんどは、昭和30年代以降に挿し木で増殖した品種茶というものです。それ以前のお茶栽培は、タネを撒いて実生のかたちで茶園化されてきましたが、自家不和合性のチャノキのタネは形質がバラバラで、そのバラバラなものとしてチャノキを捉えてきたのです。挿し木の茶園はクローンですから同じ形質の茶を育てることができ、これを品種茶園と呼ぶのに対して、タネから育てた昔の茶は「ザイライ(在来)」、茶園の「在来茶園」と呼んでいます。

この在来茶、お茶の先進地である静岡には少なく、むしろそれ以外の地域にはまだ多く残っています。品種茶が商業としての茶栽培を目的に増えていった関係から、古くから自給的にお茶を飲む習慣のあった地域に、商業とは別の形か、販売用のお茶でも煎茶ではなく番茶など地方茶のなかで残されて来ました。それだけに、その現在を知ることは、お茶に親しんできた日本人の生活文化を理解する上で貴重なヒントを提供するのではないかと思います。

茶の原生種を求めてアジアをくまなく調査され著書も多い松下先生、茶の民俗史で『番茶と日本人』の著者、中村羊一郎先生、そして茶学の会の会長を務める小泊重洋先生。この3人が共に参加していることもすごくて、僕にとっては二度とない機会だし、これを逃してはと、客席の隅でしっかり勉強しようと思います。

半年ほど前この企画のことを伺ったところ、当初は四国で開催することを考えていたそうです。それが岐阜の春日になった経緯は伺えませんでしたが、春日の在来茶園、それは見ごたえのある、何かを感じさせずにはおかない風景だと聞いています。在来のお茶には人それぞれに、それぞれの思いが強くあるから、どうまとめていうかが悩みどころとのことで、小泊先生がどのようにまとめてくださるのかも楽しみです。

茶は文化である、とは良く耳にするフレーズですが、文化とはいったい何?
在来のお茶はそんな問いに応えてくれるような気がします。
古くからの茶園に出合って、感じとりたいと思います。

結果については、また報告させてください。

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岐阜春日・在来茶を考えるシンポジウム

【スケジュール概要】

日  時 : 平成25年9月22日(日)・23日(祝日) 雨天決行
(22日)AM 10:00~PM18:00 (23日) AM 9:30~PM16:00
見  学 : 岐阜県揖斐郡揖斐川町春日上ヶ流地内 ・・・ 茶畑見学
会  場 : 岐阜県揖斐郡揖斐川町谷汲木曽屋180 ・・・ ラーニングアーバー横蔵
< TEL> 0585-55-2236

イベント : ①さざれ石公園見学(茶畑見学前)
②無農薬茶、在来茶(山茶)の生産者による試飲販売 (シンポジウム会場にて)
③無農薬茶で作った紅茶(全国から抜粋)の試飲販売(シンポジウム会場にて)
④揖斐川町特産物など展示販売(会場内)
⑤講 演 会
挨  拶  小寺春樹
基調講演 松下 智(豊茗会会長) 番茶と在来茶
講 演  小泊重洋(元静岡県茶業試験場長) ”やぶきた”以前の茶栽培
中村羊一郎(静岡産業大学教授) 番茶と民族
稲垣栄洋(静岡大学大学院教授) 生態系保存のための山間地
在来茶園の重要性
若原浩司(揖斐農林事務所技術主査) 春日茶について
有留真春(太陽食品株式会社) 在来茶の素晴らしさと必要性
武田善行(日本茶業技術協会会長) 在来茶の生態
河合廣美(参州足助屋敷) 足助の茶
小寺春樹(NPO法人山菜の里いび理事長)茶と自然を生かした村づくり
⑥パネルディスカッション「在来茶の特性と将来の展望を考える」
コーディネーター :  野本欽也(豊茗会理事)
パネリスト : 武田善行・稲垣栄洋・有留真春・中村羊一郎
・小寺春樹
⑦懇 親 会 (シンポジウム会場にて)  18:00~20:00(2時間)
会 費 : 5,000円
⑧開催を祝う和太鼓演奏
⑨春日に残る地歌舞伎披露 (市川佐之助)
⑩よか(夜過)の会 (21:00~)
[ヨガ] 小田まゆみさんによる寝る前のリラクゼーションヨガとお話
[お茶を楽しむ会] 近藤美知絵さんのお話と自然のお茶を楽しむ
[歌・演奏] [ゆがふ]の二人組による癒しの音楽演奏

募 集 : 一日のみ・宿泊無し2日間・一泊2日にての各参加希望者を募集いたします。
※ 通して参加の方は1,000円分お安くなります。
情報交換、名刺交換、交流を深める懇親会への参加募集いたします。
※ 各関係者が一堂に集まる機会を通し、情報交換、名刺交換などにより親睦
を深めることで良い人間関係が生まれ、視野を広める良い機会となります。

お問い合わせ : 特定非営利法人 山菜の里いび TEL : 0585-58-0230
FAX : 0585-58-0231
中 村 TEL : 090-8554-6000

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