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今年最後(と思いたい)台風が去った日曜日、冷えた空気が日差しで暖まったベランダで、今年の益井悦郎さんの“みおぷれみあむをいただいた。個性的な、香りのいい国産の紅茶。もう何十回もいただいている。うまいです。こういう国産紅茶は少ないと思う。

ポットを温めて、多めの葉っぱ、音がするように熱湯を注ぎ、保温して、砂時計で3、4分を計って、温めたカップに注ぐ…。紅茶はほとんどこの方法でいれてきたけれど、最近はいろいろ。1分2分で出す時もあれば、5分6分ぜんぶ出し切る時も、小さい急須で何煎も楽しむ時もある。最近は、国産のものだと、ささっと1煎いただいて、残り湯入れっぱなしでガブガブ、というパターンが多い。

国産のものは香りの持続性が乏しいと思うけれど、短い浸出時間に爽やかな香りがたちのぼるものは好きだ。浸出後は内質が出て香りを消し込むかわり、味わいで飲めるものも少なくない。当然、しっかりつくられたものなら2煎目でも香ってくるし、液体そのものが香りの成分を備えているものならなお楽しい。こうしていただくと、何かに気づくというか、いれ方のヒントがあるような気もしてくる。というか、そのお茶の個性を見つけたい。国産の紅茶はがっかりすることも多くて、囚われてしまうと、怖くて次の紅茶に手を出せなくなる。お茶は手間をかけていただくものだから、気持ちを込めていれたお茶ががっかりでは困るのだ。

でも、今のところの僕は、お茶に完全無欠を求めていない。多少の欠点の中で、お、と気づく良さが見えたらうれしいと思う。香りは、いろんなことを映し出す。ワインならミクロクリマ、テロワールというし、品種も仕立ても、製法もすべてが違う。違う通り、その理にかなった造り方が育ったように、紅茶も、その土地の記憶に寄り添った、紅茶が生まれてきたらと思う。

言いながらも、増えていく一期一会のお茶、どうしたものかなぁ……

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