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昨日行った場所、暑い日だったけれど、雑木林の木陰になって、雑草のツルにまみれたひと畝のチャノキを発見。

遠目に眺めても葉の大きさがわかったので気になって近づくと、葉っぱは平均していて、7、8センチはある。全体がかまぼこ形にはなっているものの、春先までの手入れだったらしく、二番芽の発芽は極めて不揃い、ぷっくり厚みのある、いかにもおいしそうな芽はわずかで、もったいない感じです。

というのも、このチャノキはおそらく、べにふうき(紅富貴)という品種茶です。紅茶用につくられたけれど、アレルギーを抑制するらしいメチル化カテキンをたくさん含んでいるということで、緑茶で流行った。が、紅茶にするとボディのある力強い香りがしてとてもいいんだと、奈良月ヶ瀬のIくんのところで栽培していた畑を思い出し、その特徴的な葉っぱの姿を思い出し。木陰の茶園はほんのり柑橘系の香りも漂うようだし、ああこれは摘みごろだなぁと、ちゃっかりひと握りだけ摘んでお持ち帰りに。

ほんのひと握りのお茶っ葉は布の袋の中、そっと3、4時間自然に萎凋したと思う。暑くじんわり汗ばむ日だったから、袋から出すとむんと鼻をつく花香の強さにびっくり。葉のフチも色づいていないような状態だったので、もうすこし進めたいと小さなザルにあけて軽く揺らしては30分置く、を6回繰り返し。ほんのり色づいたところでフライパンで殺青、と。ところが残念無念、焦がしてしまったので揉んだら、もんでいる手のひらに葉が細かくパリパリ砕ける感触。見ると葉は粉々、それに煙臭い…ああこりゃダメだ失敗!とあきらめ、粉に砕けた部分をふるって落とし、わずかの残りを乾燥せずザルにあけて終了したのです。

翌日葉っぱは自然乾燥状態でほどよく乾き、なんとも言えないみかんのような強めの香りを放っていてびっくり。煙臭さも失せている。飲んでみたら包種茶のような澄んだ花香、しかもしっかり渋みもあって、出来そこないではあったけれど、出来すぎの、1回分だけ、一期一会のお茶になっていたのです。

昼下がり。びっくりしつつ、おいしいおいしいと、家人と2人で杯を重ねたのでした(^^)

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