上勝の晩茶。
乳酸菌優勢の嫌気性発酵なのは、ぬか漬けにもすんき漬けにも似て、出来不出来がある。よいものはスッキリ透明感があって、ただ酸いだけじゃない、品のいい、お茶の深い香りがする。喉に違和感なく飲めて、渇きが治まる感じがする。
匂いと香り、臭みと芳しさがあるお茶で、あらゆる和の食や様式が入り込める。かしこまった中に弛みがあったり、くだけた中に清らかさがあったりして、これがアジアの、四国の山里のお茶。
お茶を育てて摘んで、ゆでて揉んで、漬けて干す、植物性乳酸菌のかたまりみたいなこの晩茶。晩茶の晩は番茶の番、一番二番の番ではなくて、朝昼晩の晩、早稲中稲晩稲(わせなかておくて)の晩。田植えの後に摘み、お茶づくりの後に稲刈りをする、暦に生きる晩茶です。

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