なんのことはないいつもの森。たくさんの植物が混ざって生きている。日差しが通って明るく、大きな木の下にはヒョロヒョロのチャノキがたくさん。花を咲かせてはタネを落とすので地面もお茶の芽生えがたくさん。ここはお気に入りの森、秘密の森です。チャノキの芽生えがそこら中に広がっている。4、5年通って、だんだん増えている気がする。針葉樹の森が遷移の極相というけれど、この森はまだまだ、チャノキの遷移が展開中ということかな。

チャノキが発生したのは雲南、ラオス、ミャンマーの国境あたりの山中だという。そこでは樹高30メートルを越すようなチャノキの大木が今も生きているという。ぼくの近所の森のチャノキを眺めても、そんな大きくなれるとはとても想像できないが、条件が整って、長い時間をかければ、ここのチャノキも大木に育つのか。それはきっと、高温多雨で生育に良い場所であり、さいしょ生長の早い高木の下でいじけているが、何十年もののちに朽ちて、チャノキはその隙に少しずつ伸びていく。これを繰り返すうちに、葉っぱが制空権を握れば、あとは邪魔するものもなく、天に向かって大きくなっていった。…したたかな大計だ。

近所の名もない秘密の森のチャノキ。世界がどうなっていくのか途方に暮れてしまうが、森の小さな芽生えに陽が注ぐ。希望を感じる。ありがとう!

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