菊花せんこう~種の保存と循環型社会
りんねしゃ大島幸枝さんの菊花せんこうワークショップ
なんと初めての開催という貴重な場に参加させていただきました
材料は除虫菊・白樺木粉・除虫菊・でんぷん・タブ粉・薄荷・水
日本は世界で最も良質の除虫菊が栽培されていたのですが、戦後合成ピレスロイドに駆逐され、産地は壊滅していったそうです。薄荷や樟脳も同じですね。その種の保存にとりくんできたのが菊花せんこうの歴史です
一般の蚊取線香のベースは、混合木粉といって全国各地の材料を、燃え方が均一であるかどうかなどの基準で混合したもので、産地指定やトレースができません。食品ではないため当然放射性物質の検査などもされていません。それにピレスロイド、着色料を入れて合成のりで固めています。
「菊花せんこう」は北海道の自社農場や契約農家で栽培した除虫菊に、同じく北海道産の白樺木粉、それらをでんぷんで固めています。
ワークショップではこれらの材料に薄荷と水を加えて練っていきます。水分の加減がちょっと難しく、ギリギリの加減で固めるのがコツのよう。スパイスのような香りがただよい、食べ物の生地をさわっているようで心地よい。これが普通の線香だったらこうはいかないでしょうね。
りんねしゃオリジナルの絞り出し機で絞ります。これがかなりの力仕事。
機械で絞ったようにぐるぐる巻きにはなりませんが、いろいろな形で乾燥
線香作りの間にもいろいろな話をしていただきました。除虫菊は紋別の水がきれいで寒暖差のある土地で作られること、発芽率も生産効率も悪く、利益だけを考えたらとてもできないこと、製造もその年の除虫菊の質によって配合などの工夫が必要なこと…
一般市場に出回りにくく、ほんとうにこの製品を必要、応援したいと思う人にはちゃんと届くスケールの製品。これからのモノづくりと流通には、まさにこういう方向しかないんじゃないか、と思わせていただいた貴重な時間でした。
りんねしゃを創業された飯尾純市さんは北海道で除虫菊と薄荷の生産に従事、現在は長女の大島幸枝さんとご兄弟でりんねしゃの事業を展開されています。りんねしゃの歴史はオーガニック・自然食の歴史であり、あたらしい家族像・仕事像を見せてくれているよなぁといつも思うのです。
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