2015年の味噌できた
民主主義とは、平和とは、憲法とは…人間世界がごたごたしている間にも、菌の世界はいろいろな個性が集まってせっせと味噌を醸していてくれました。
「善玉菌」「悪玉菌」と言いますが、人間にとって一見有用と思えるものを「善玉」というだけのことであって、ほんらい菌たちにはそれぞれの個性、役割があっていいも悪いもありません。そしてある特定の菌が暴走して増えたりしないように、常に不思議なバランスをとりあっています。
今年の味噌は5種類
2月に仕込んだきり、とうとう今の今まで一度もフタをあけていないという…例年にも増してほったらかし…
でもなあんと、ほとんどカビらしいカビも出ずに仕上がってきています
これは福井のマルカワ味噌さんの蔵つき菌の玄米麹と自然栽培大豆、モンゴル天日塩という今回の中では一番のこだわり味噌。カビもまったく出ず、深いコクのある味噌です。玄米麹なので、まだ少しおいた方がよさそうですね。
町田の井上こうじ店さんの玄米麹、有機栽培大豆、海の精の組み合わせ
容器が足りなくてプラ容器で仕込んだせいなのか、少し産膜酵母が出ましたが、このくらいなら私は混ぜ込んでしまいます。
同じく町田の井上こうじ店さんの玄米麹と特別栽培黒豆、海の精の組み合わせ
陽性な組み合わせだけにかなり重厚な味がします。これはまだまだおいた方がいいですね。
島根のやさか共同農場の白米麹と北海道産特栽大豆、シママースの組み合わせ
これが一番こなれているので、若い味から食べ始めます。
ザ、手前味噌という感じのやさしい深みのある味。
重石がちょっと重かったのでたまりがたくさん出てますが、これこそ自家製でなければ味わえないものなので、少し野菜など漬けていただき、混ぜ込んで戻します。
これが座間の豆腐屋さんから買わせていただいた津久井在来大豆と井上こうじ店の白米麹、海の精の組み合わせ。さすが津久井在来、まろやかで甘い味噌です!
私は毎年、大豆1~2kgくらいの単位でいろいろな味噌を作ります。鍋に入る量の限界がそのくらいだということと、大量に作ると一日がかりになって時間の確保が難しいため、少しずつ何回にも分けて作る、という事情によるものです。いろいろ作ると出来上がり時期も適当にズレてくれるので、一つを食べ終わる頃に次ができる、という具合にいい循環になっています。
今年は結果として放ったらかし味噌になりましたが、菌はちゃんと黙って共生しながら仕事をしてくれていました。