おいしい村は、

2002年にイタリアで出合った「il buon paese」という題名の本、英語なら「the good land … 良き土地」という言葉。良い食材や料理、良い人や出来事は、良き土地から生まれ、良き土地もそこから育つ。これを 「あ、おいしい村だ!」 とおおいに触発された竹内周は、2006年からblog「おいしい村」を開設し、「食」を巡る日常を綴る「おいしい村探しの旅」を始めていました。岸田美紀は、blog「ねっこ~町でもできる自給自足的暮らし」から、食べるという行為を自分の手に取り戻していく、というテーマをかかげ、料理を通じて模索、実践してきました。

その過程で何度も話してきたこと、それは、 生産の現場と生活の現場が遠い という現実です。昨今、食の安全や農業への関心は高まってきましたが、心ある生産者たちの苦悩は続いていて、大規模化や均質化は今も進んでいると思われます。自給的な食は生産の現場から遠のき、都会で手づくりの食卓は夢のようです。食は商品的に評価される傾向、食の本質はその分を見えづらくなったように思います。

そんな状況が、「おいしい村」再スタートの背景にありました。かけ離れた生産と生活の距離を少しでも縮め、本質に根差したものづくりと、食に主体的に向き合う暮らしを取り戻したい。「おいしい村」は、つくり手と暮らしを結ぶ食の情報サイトとして、つくり手との出会いや食のすばらしさを、人々共通のたからものとして、一人ひと粒、こつこつと伝えて、暮らしに結んでいきたいと思います。

つくり手を伝え、

20世紀と21世紀のそれぞれ10年、食品流通の立場で食に携わってきた私たちは、この大きな変化のなかで、本来取り替えが利かないはずの、「本質に根ざしたものづくり」を、つくり手の側から紐解き、伝えていきます。

暮らしに結びます。

食べ物や食べ方は、都市から、主要な食材から、どんどんと大規模化と均質化が進んでいます。その一方で地域や暮らしに根ざした食べ方、料理は多様で、今も日本の食全体の美しさを保ち続けています。「おいしい村」では、物量ではなく、良き食の質として輝き、小規模なほど健全な、「地域の食」や「手づくりの食」を「食のデザイン」として紹介し、暮らしに結んでいきます。

≪食をデザインします。≫



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