昨日カレーをつくった。いつものことだけど、手間を食う感じがするのでめったにつくらない。食べたくなったり、連れ合いが忙しそうだったりすると、つくる。昨日は昼から、息子と「今日はカレーにしよう」と話していて、彼とは2人になると、母とは話さないいろんなことも、話す。とんこつラーメン食べようゼとか、いろいろ。
僕がつくるカレーはワンパターン。前の会社の同僚というか、センパイが、あのカレー伝道師・渡辺玲さんなのであって、彼の処女作『ごちそうはバナナの葉の上に』のなかにあったチキンカレーの作り方が根っこにある。根っこのことを、ハングルで「プリ」というのは最近知った。root、radish、radical、根っこは根源的でラディカルで。僕がいたのはらでぃっしゅで生産者の会はRadixの会というのは関係ないけれど、とにかく玲さんの処女作は攻撃的で高邁で文字が小さくて読み終わるのに苦労した。そのレシピは、ウチにある材料では足りないのであって、アレンジが必要になるから、いま僕がつくっているものは、きっと玲さんレシピからはずいぶん遠くに来てしまっていると思う。でもお気に入りであり、ほぼまちがいなく、おいしい。
そのカレーを、昨日つくった。
分量は適当、あるものでつくるから、出来上がりの味は毎回違ってくる。料理の先生してる連れ合いいわく、アナタの料理は再現性ないからねー。これはシゴトで料理を教えている方の言い分で、彼女はぜったいに失敗できないから、料理は数字でも頭に叩き込むんだそうです。確かにそうなんだよね。
さて、玲さんレシピではずさないように気をつけて続けていることは、油に香りを移すこと、煮込みと仕上げのスパイスを変えること、スパイスの種類は少なくていいこと、の3つ。個人的な感想だけど、これだけでだいぶカレーがおいしくなったと思います。
最初たっぶり目の菜種油に弱中火でカルダモン、シナモン、クローブをホールで投入、焦がさないよう匂いをつけて取り出す。その油でみじんにした玉ねぎを炒めて、それとは別ににんにくしょうがで同様に香りづけした油も投入してチキンレッグを炒め、合わせる。この段階で既に香ばしいカレーの香りになっていてワクワクしてくる。そしてからトマト缶と同量の水、ヨーグルト、コリアンダー、クミン、秋うこん、唐辛子、じゃがいもにんじんをぶち込んで、煮込む。火が通ったら、この日はナスとズッキーニを入れてさらに煮込んで、塩味整えて、市販のガラムマサラふりかけて出来上がり。あ、レモンもぶち込んだ。
(うーん、玲さんに怒られそうですが)
でも、まちがいなく、毎回おいしい我が家のカレー。
この本もう絶版のようで、今は文庫本で買えるみたいですね。中古でプレミアついてる!なぜか我が家には2冊(^^; 大事にしまっておこう~
Posted on 月曜日, 6月 10th, 2013 at 10:16 PM