20年来のおつきあい、静岡梅が島のヨダケン、
依田健太郎さんから、茶が届いた。
烏龍茶なんだということで、さっそく飲んでみると、
芳香、やわらかく、余韻はけっこう長引く。
2煎で茎も含んだ大きめの葉は開いて、香りは引き続きやわらかい。
3煎ではすでに番茶の草いきれに包まれ、苦味も呈する。
平釜で手炒り、まだ3年目、暗中模索とのことだった。
線細く、葉の力も弱い気もするが、
見て欲しい、このゆったりした姿を。
こんな葉っぱが、アルミ蒸着のPP容器にもっさりと、
形を崩さず100gも、入っている。
赤茶けた茎も、わらのようなものも混ざるが、
もしかして、低めの温度で、超軟水で出したほうがよかったかな、
野性的なんだけれど、繊細な状態があるお茶なのだ。
梅が島は、静岡の中心地から安部川を北に1時間ほど、
お茶どころとしては本山、その奥にひっそりある標高700mの山村。
日射のわりに谷筋の微気候、朝夕の川霧が立って、
昼夜の寒暖、厳しいほどにはっきりな四季、
茶の木は小さく、生長も遅いが、それはうまいお茶を産する。
水は、切れるように冷たい花崗岩質の水、
見上げるような標高差を、先祖代々石積みの棚田でかせぎ、
よい川砂のある場所では清々しく、山葵が栽培されている。
その梅が島に暮らすヨダケンは、お茶農家、山葵農家。
30年以上も有機栽培の本山茶でならしてきた人で、
釜炒りの製法については、25年前から続けてきた紅茶があり、
花の香りがする紅茶、完成の域、といっていいんだと思う。
お茶は悩ましいことが多いけれど、ヨダケンがこの20年、
どんなことを考えてきたのか、聞きにいきたいと思っている。