今年の桜は早いと聞いたけど、そのとおりに早かった。僕の仕事も年度末ということでひと段落、今週はぽっかり浮かんだみたいな1日がやってきて、学校の桜はどうかなと見に行ってみた。するとまあ、のどかな一日そのままの、いつもは掛け声や歌声や、活気にあふれている学び舎もひっそり。数人の子どもがボール蹴りをしているほかはぽかんと。静かな春が染み込んでいた。
思えば、春休みというのは3学期の新学期のあいだにあってなんとも中ぶらりんなひと時。子どもたちにしてみても、先週までのともだちや担任の先生とお別れをして、来週の仲間はまだ誰なのか、ぼんやりだし。たしか宿題もないんじゃなかろうか。僕の気持ちもそんな感じで、とにかくやってきた3月までのひと段落と、来週からはじまる新しいステージのはざ間でぽかんとしてたのだ。そんな気持ちもいつもの年なら、ゆるみ始めた春の風を感じながら新しい年度、新しい学期に心を合わせる準備期間のようでやや引き締まっていたような。そして桜は開きかけなのだ。
だから、この桜たちはなんとも現実味がないというか、ただただ美しかった。
それでも、今週が終わると新学期。こんお満開の花たちは散り始めているとは思うけど、新しい気持ちで、新しい友だち、新しい教室、新しい学年の子どもたちの声が響くでしょう。その元気は風情などさておいて、どんどんと成長へと進む時間といっしょに、桜だって元気に、花を散らしながら、若葉が萌え出す、夏へと進む。春はそんな、生きていることの動態とともにある。
……と、やはり桜はいいものだと思うワケです。早く走り始めたい、今、桜ぽかんと止まったように見えるのは、そんなキモチのあらわれなのかもね。
Posted on 土曜日, 3月 30th, 2013 at 11:52 PM