水にはまっている。お茶を飲むほど水との関係が気になってきて、最近は近くに湧水はないかとうろついている。おいしい水だと、そのおいしさでお茶がおいしくなることがわかる。ヘンな水はおいしいお茶をだいなしにする。水は単なるH2Oではないし、お茶っ葉も日月火水土と様々なやりとりの末に在る。それは、状態を知ることで、モノとヒトの関係を示しているような気もするのです。
丹沢へ。自宅から宮ヶ瀬湖を抜けて42キロ。我が家からは夕日の沈む山、大山の、そのすぐ下にあるのが、護摩屋敷の湧水。山伏がヌルデの木などを焚いて修行をする場を護摩屋敷と呼ぶそうで、名前は、修行僧がここの水で身を清めたことからついたそうだ。位置的には丹沢山塊の南面、秦野市にあって、市街から県道70号線を直登、標高761メートルのヤビツ峠を越えた少し先、富士見山荘のあたり。地形を見るとわかるが、いかにも丹沢の山の水をたっぷり貯えていそうな場所に思えた。ゆっくり走っていたら、わかりやすい「水汲み場」の看板と、来る場を横付けできる誘導路までついていた。
先客1名あり。ユーノスロードスターに老夫婦、中から出てくるポリタン、3Lの焼酎ボトルたくさん。こんちは!と声をかけると、いい水だよ、いい水だよーと屈託なく世間話が始まった。コーヒーやウイスキーが最高においしく飲めるんだよと。茅ケ崎からいつもここに来られるそうで、山歩きがてら、必ず汲んで帰るんだそうだ。それはこんこんと湧き出ている、山の水。じか飲みすると、水温14,5℃ぐらいだろうか、これは湧水ですかと聞くと、近くからパイプで引いてきてるそうで、沢水か湧水かは知らないと言っていた。抵抗感のない、すっと沁み込む感覚、やわらかい感じでおいしかった。いや、いい水場です。
帰りは来た道を戻らず、というか、宮が瀬から途中までの山道が、こりゃ九州や四国の山と同じぐらい険しく、狭く、曲がりくねっていたので、戻るのは疲れる。財政状況の違いからか、整備が宮が瀬、清川村の区間で悪く、秦野に入ると広く明るく走りやすい。ということで南に下ると、さすが丹沢、海を見下ろす見晴しはすがすがしい。