七草粥は草の香り…いつも食べている栽培野菜とは違う、慣れた味と香りではない雑草だからこそ、五感が目覚めて清々しい心持ちになるのかもしれません。
春の七草は「せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ」。我が家のねこぴた農園は、冬野菜もそろそろ終わりに近づいて、残した大根や蕪を少しずつ抜いたり、春菊の脇芽を摘んだりと細々食べつないでいます。
1月7日「人日の節句」と言っても旧暦では1月下旬、今より春に近づくとはいえ雪も降る頃。草は生えていたのかなかったのか。畑は無肥料無農薬、できればあまり耕さずに…と思ってきたので、雑草はあちらこちらで元気です。雑草の一種であろうなずな、はこべら、ほとけのざはすぐに見つかり、すずなは蕪、すずしろは大根のこと。あとはせり、ごぎょう…この二つは見つからず、ではということで農園産の春菊とスティックセニョールを足して「ねこぴた七草」となりました。
雪の深い地方などではこんにゃくや人参、納豆などで七草の粥を炊くところもあり、きっと調べたら雑煮のようにそれぞれの地方色が豊かでおもしろいことでしょう。
七草粥は、前夜に七草を包丁の背などでたたいて細かくしておき、七日の朝に粥を炊き七草と塩を入れる、というのが正式な作り方のようですが、前夜に叩くのを忘れたので朝叩いて粥に炊き上げます。最近のレシピでは茹でておいた七草を最後に飾るようなやり方もありますが、せっかくの草の香りと味を茹で汁にうつしてし
まうのはもったいないので、見た目は悪くても粥と一緒に炊き上げるほうが好きです。