醸しのお茶
……お茶の可能性を広げる紅茶や烏龍茶など

醸しのお茶は、チャノキの無限、香りと味わいの可能性です。その人を魅了してやまない魅力に気づき、花開かせる、発酵茶の世界もまた、彩り豊かに、育まれていました。香りの広がりは照葉樹林のアジアを旅するようです。それは醗酵茶の先進地に学び、試行錯誤の末たどり着いた紅茶や烏龍茶を生み出した、作家茶と呼んでいい、自園茶農家の創作茶の彩りです。

お茶は、よくワインにたとえられますが、その可能性を開いたのが、発酵(正確には酸化)です。中国で生まれた紅茶や烏龍茶も、煎茶と同じように“チャノキ”からつくられますが、日本では、中国のように、発酵のお茶の可能性が花開くことがありませんでした。ところが、各地方のローカルなお茶には、発酵のお茶があり、今でも、発酵を取り入れた香り高い釜炒り茶がつくられています。これからのお茶として、本格的な発酵茶づくりに取り組んできた、お茶農家がいます。これまでの常識をうち破って、日本の茶葉を生かし工夫を凝らした紅茶、花の香り漂う発酵茶が、日本のお茶のおいしさ、可能性を広げています。