自家製味噌は毎年の恒例行事になり、家族もうちの味噌でないと、と言ってくれるようになりました。黒豆、青豆、在来種、古豆、麦味噌、二倍糀味噌、いろいろな仕込みをしてそれぞれのおいしさも味わってきました。
次なる目標は自家製の糀を作ることだったのですが、1回の仕込みが足かけ3日がかりということで、さすがに3日続けて家にいられる機会は限られるし、独学で本を読んで挑戦して失敗してはなかなか取り組む時間がないまま時は流れ…
今年は一年発起して夏に小倉ヒラクさんのワークショップに参加、ちょっとしたコツや理論など勉強させてもらってきました。それでも、5~6回は失敗したでしょうか…
やっぱりつまるところ糀作りは子育てのようなものなんですね。なんどもなんども暑くないか寒くないかと確かめ、かといってやたらに箱を開け閉めしてはいけないし、安定した気持ちで見守ることが肝要。理屈でいったら温度と湿度の管理ということになるのですが、それをやりきる、楽しむ気持ちがあるかどうかが大切なのだと思います。
味噌の材料は大豆と糀と塩(豆味噌はちょっと違います)ということになりますが、大豆や米のタンパク質や脂質、炭水化物をそれぞれコウジカビが作り出す酵素が分解して味噌のアミノ酸など旨味成分を作ってくれるわけですね。
主原料の大豆にいきなりコウジカビをはやしていくのがザックリ言うと豆味噌の作り方ですが、作り方は難しく時間がかかります。そこでいったん米にコウジカビをはやして菌のパワーがいっぱいの状態にしたものを大豆にあわせる、という方法がとられるわけです。お酒であればそこにさらに米をあわせていく。東南アジア独特の発酵技術です。
料理とは対するモードが違い、ほぼ「生き物を育てる」ことになります。まだ力の弱い段階から、暑くないか寒くないかと観察して調節、コウジカビが増えてパワーが出てきたら今度は暴走しないようにクールダウンさせたり。料理はこちらが主体になって動く部分が多いですが、発酵はとにかく相手の様子にあわせる。
麹菌は家人が京都に行った際に求めてきてくれた菱六さんのもの。袋に書いてなかったけれどおそらくは長白菌?なのでもしかしたら甘酒向きのこうじなのかもしれませんが、そこは素人、あまりこだわらずに作ってみます。
蒸した米に麹菌をまぶし…
温度湿度を保って約48時間…
モフモフの糀の花が咲きました!
大豆を炊いて…
糀とあわせて
瓶に詰める
今年の大豆は黒目なので黒い点々が残りました
うーん先が長いですが、10か月後が楽しみすぎます!
またひとつ生きていく自信がついた気がします。
(miki)