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ふっ、と思いのようなものが浮かんで、ずっとしまっておいたお茶をいただきました。
那覇の牧志公設市場からJALcityホテル方向に、裏道を斜めに歩いていく途中、ぽかんと空が開けている場所があるの知ってますか? 那覇に行くと必ず行く公設市場、ぽかんと開けた空が大好きで。僕が好きなぽかんとした場所、そういえばカメラでパチリしたんじゃないかと探したらありました。何の変哲もなしの、まあ単なる広場で。市場周辺の、おみやげ屋さんが立ち並ぶアーケードの喧騒、ごちゃっとしていて、ここに出るとほっとした。そして、ぽかんと開けた空の連想で、このお茶にたどり着いたのでした。

ぽかん
こうして写真を眺めても、何の変哲もなし。わからないんですが、この広場か、近くのどこかの植栽に、ジャスミンが植えてあるのかなって思っているんです。ジャスミンの花の季節は5,6月ごろからでしょうか、それはいい香りが広がるそうで、暑い沖縄の夜なんぞ、ほろ酔い気分で歩きながら、涼やかな夜風でジャスミンの香りが運ばれてきたら、それは素敵だろうなと。

……という。そのジャスミンの植栽、地元のおじいが管理してくれているそうなんですが、教えてくれたのが、那覇から少し南、南城市でお茶の活動をされている、茶房一葉の上原美智子さん。お茶は、上原さんが、地元沖縄のジャスミンの花を摘んで、ていねいに手作りされた、碧螺春のジャスミン茶なのでした。分不相応に貴重なものをお分けくださって、なんだかもったいなく、夏に1度いただいたきり、木箱にしまってあったのです。ぽかんと開けた空の連想で、今日、久しぶりにご対面(^-^)

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開けたとたんに、あの夏みたいな品よき茉莉花の香りが鼻をくすぐり、状態はいいようです。さっそく入れてみると、これがよく熟されていて。碧螺春の、軽やかだけどお寺のような芳しさもぐっと落ち着いているんですが、そこにうまく茉莉花香がうまく折り合っている。この感覚は、去年の夏にいただいた茉莉龍珠と同じ傾向のもの。それがより鮮やかで、なんともうっとりします。‘芳香’という文字を、厳密に使うなら、この香りにこそ使うべき、と思うような、芳しい香り。その元に照葉(てるは)の土地が放つ香りの片鱗を思います。3、4煎で葉も美しく開き、見た目も楽しめました。

……もう1、2歩は掘り下げて書き進みたいけれど、またの機会に。上原さん、うちなーじゃすみん、最高です。あらためてありがとうございました!

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