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静岡茶市場は開場以来最も早い新茶の初取引だったそうで、ここのところ落ち着かない気持ちがしていたのは、早く新茶の香りを楽しみたい、というアセりなのだろうか? 確かに新茶の香りには気持ちが逸る。熟成のお茶は、その落ち着いたじんわりとした風味は春の空気の全体に場所負けしてしまう感じもあり。ガマンの子、じっとこらえて、僕の好きな新茶を心待ちにする今日この頃。……ということで、場所負け場所負けと開き直って、いつものお茶をすすります。

このの琥珀色! 2011年、蘇陽の釜炒り茶がグっときた。蘇陽とは今の熊本県山都町馬見原から北にのぼったところあたり昔から青柳式の釜炒り茶がつくられていたところです。在来の青柳式はもともと気品ある香りで、熊本の釜炒り特有の男っぽさもなつかしく、はやり釜炒り茶は育つのだとうれしい気持ちになりました。アツ目の一煎目は気高く龍井のような香りも含んで、2煎目で渋味心地よく韻を残してプーアール生茶のようだ。湯呑に漂う木質の芳香にも鼻をくすぐられます。

めったに会うこともない釜炒りオトコ2人が、ごっつい身体で釜炒り談義に花を咲かせてたのは去年の春。ああもう1年たったのだと、この春らしくない琥珀の雫をいただき想う夜。今宵は上弦。珍しく透き通った夜空なり~

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