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きのうは花冷え。近くのお茶畑を見に行ってきた。昔ながらの在来の畝脇に桜が植栽されている、ここらへんでは2番めに好きな畑です。東京の桜は早くも満開の知らせだけど、ここは少し遅くて三分咲きといったところ。この日は何ともライトグレイッシュな空気感漂う日で、包み込まれるような雰囲気が独特。別の世界に来たような感覚というか、なかなかな風情を楽しませてもらいました。

この日のような春。暖かさと肌寒さがせめぎ合い、ゆるっとしているようでどこか緊張感がある。ケヤキの梢の細かな芽吹きは冷たい風に一進一退。それでもこの時期なら植物たちは体の底から力が満ちているから、陽気がゆるめばほんの少しのスキも逃さず、必ず萌え出てくる。桜の花はあるときワワワっと咲き、そして散る……。何気なく過れば過ぎるこの季節。でも感じようとすれば、淡くてグレイなこの花冷えの空気も、心地よく張り詰めている。

そんなドラマの広がる桜の下のお茶畑は、お茶摘みの準備も進んでいるようで、刈り取った畝もサッパリしてた。ちらほら芽も出てこちらもせめぎあいが始まっていて、観察すると刈り込んだ株よりも、脇でひょろひょろ勝手に生きてる木にたくさん萌え出ていた。

お茶は葉をいただくもの。ふつうなら年に3回も刈り取られるお茶の木の体力とはすごい、というよりそれだけの収奪に耐えられるよう、たとえばこの季節なら芽肥えといって、化学肥料などパラリとあげたりする。お茶とのそんなお付き合いで、人はお茶からどんなものを受け取るのかなと。ここらへんは他の作物も同じ事情で、もう何十年も考えてきたことで、お茶ならそれも変わるかと思ったり……。

茶は南方の嘉木。揚々とした芽吹きには今少しの時がかかります。



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