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何気なくツイッターを眺めていたら久しぶり!っと「しゃおしゃん」こと前田千香子さんのことが出ていて、しかもFACEBOOKに登録してるとのことで友リク、すぐに「アマネさんお久しぶり!」とご承認をいただけて、うれしいものだなとさらに思い出し、三引にしまっておいたお茶を飲んだ。新茶の季節というのに、あいかわらず古茶、ヴィンテージ(^^)

気仙茶2007軽発酵

前田さんの手になる軽発酵2007年のお茶で、岩手県陸前高田市で栽培されている「気仙茶」からつくられたもの。気仙茶は、おそらくは商業的な生産地としては北限にあり、ほぼ地場消費のみで細々つくり継がれていた。実生の在来のお茶で、樹齢が百年を超える古樹も多く、それがどれほどに貴重なものなのかは、茶業関係の資料に目を通せばすぐに理解できる。国内の栽培茶で、実生の在来と呼ばれているものはおそらく1%以下。それ以外は品種茶といって、1960年代から挿し木で改植、増殖されたクローンばかりなのだ。代表格が「やぶきた」だ。気仙茶に樹齢百年を越えるものが多いということは、明治期にはお茶があったということだから、種子は昭和の増産時期のものでもなく、さらに興味は高まる。気仙茶のタネは、いつ、どこからきたのだろう?

この気仙茶が311の震災で壊滅的な被害を受けた。というか、お茶畑の持ち主や、管理していた方々が被災されたり、被災しなくても、お茶処どころではない事態に直面して、関わる人たちが何もしなかったら、今ごろはここのお茶畑は津波の塩害で、ブッシュに埋もれ、北国の冬に凍えて、打ち捨てられていただろう……

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わ、話すと止まらず寝られなくなってしまうので、この続きはいつかまた。でもほんとうに、この3年間のこと、しゃおしゃんさんのblogで時々拝見しては、感動していたのです。そして今、北限の茶を守る気仙茶の会、という有志の会が、震災で壊滅的な状況にあった北の茶畑再生に取り組んでいます。震災の年、そしてその翌年は収穫を断念、そして去年は待望のお茶摘みを果たし、少しずつ、諦めかけていた地元の方々の気持ちが前に向き始めているそうです。会は2012年に有志で立ち上げ、生産者付を含む地元の方々や、震災以降ずっと支援している京都龍谷大学の先生、学生さんたち。「しゃおしゃん」こと前田千香子さんが事務局をつとめている。

あくまでも軽く、香りや味覚をハイキー側にチューニングしておくというか、とにかく淡い清らかさの、雑味の全く出ないお茶。つく水の素性によってはこの香味の邪魔をするだろう繊細さ。2煎目でお茶の内質の輪郭がみえてくるようで、それもほんのり。香りだて淡い。これが時間をかけて3煎目まで。心のありようを調整すべく臨まないと、貞くのがむずかしいけど、気持ちが静かになっていくようなお茶。感覚がリセットされるようなお茶です。

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