DSC_16701

去年10月も末、いくらなんでも硬くなっちゃてダメじゃないかと思いつつも、できるだけやわらかいのをと選んで摘んで、お茶にしたお茶。見るからにだめそうなこの葉っぱの感じ。お茶というよりまさに枯れ葉ですね、見た目が。先日、京都の吉田山大茶会、喜喜茶(きちゃ)の末松さんのお点前でいただいた白茶の感じを思い出し…

アルミの保存袋にマジックでメモったところによると、摘んでざるにあけ、室内萎凋で半日して乾燥し過ぎを心配してお風呂場で2日半、湿気を保って置いて、それからオーブンで110℃、最後に160℃で乾燥を仕上げたもの。殺青も、揉みもしない、ただ乾燥させただけの、まあ、あの美しい白茶の足元にも及ばないけれど。本人は枯れないように枯れないようにと、摘んでいる時も、ざるにあけてからも、できるだけ葉をいじらず、そっとそっと、工程を進めました。

いただき方は、ボヘミアグラスに少しずつお湯を注いで時間をかけて、少しずつ葉をゆるめながら、という感じになった。新芽でもなく白毫もなく、カサカサの晩秋のおばあちゃんみたいな葉っぱは、お湯との親和に6,7分もかかってやっとという感じ。ただ、そのとちゅうからはなんとも甘い香りがし出したので、最初からゆったりするつもりだったのでイラつきもせず、その香りを、ゆっくり、楽しみました。水色は透明にうすく茶がさす程度。時間をおいてやっと、うすい晩茶のような色づきになります。香りは阿波番茶のような、独特の臭みから始まって、よく熟成した釜炒り茶のような甘い香りも出て、そして僕が雲南香と読んでいる、お茶の根っこの、お茶の汗のような香りも出てきます。味わいは甘く、喉を通ってなお甘く、余韻の長い、おいしいお茶になっていました。甘露な感じってこれだと思うのです。なかなかおいしかった。

葉を換えて何回か、何日か飲んでいましたが、そのたびごとに違うような味わいなので、ゆっくり時間があるときには楽しめそうです。ただ、次につくるときはもう少し若い芽で、よりていねいに、葉っぱを見ながらつくりたい。

DSC_16821

tags / , , , ,

«                   »

Leave a Reply