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沖縄の紅茶です。いただいたのは名護の比嘉猛さんのべにふうき。

沖縄本島も、名護から北東にかけては山が濃く、その名も山原と書いてやんばる。何度も通っていた頃はお茶の存在など知らず、この茶園のすぐそばで、JAの方に案内されながらシークワーサーなぞ一生懸命に取材していたという残念さ!ああ…比嘉さんにはまだお会いできていません。このお茶を紹介してくれたのは、一葉さん。

…なんてことを思い出しながら熱湯でじっくり4分。べにふうきらしい甘い香りと、透明感あるルビー色に、味わいはこれまたべにふうきらしい渋みもまろやかで、喉の奥にはほんのり甘い余韻が続きました。飲みやすい紅茶です。

沖縄がアッサムあたりと同じ緯度にあることや、乾いた赤土などの条件が、よい紅茶を生み出すには適しているといいます。たしかに日照の強さや長さは、本土ではマネができない部分だし、香りが土壌のミネラルと深い関係がありそうなことも、わかる気がします。

この方のところは、古くからお茶農家をされていて、今となっては貴重な台湾由来の実生園があると聞いています。沖縄のお茶は、記録では17世紀ごろに九州からもたらされたことになっていますが、その後50年間の台湾統治の時代があったことを考えると、お茶の木の交流は本土よりむしろ台湾との間でさかんだったのかな?とも思うのですが、正しいところはわかりません。

ただ、沖縄の人たちの飲み茶はご存知の通りさんぴん茶。18世紀ごろ福建からやってきたお茶は香片(しゃんぴん)と呼ばれ、本土の日本茶やウチナーで生産されるお茶より値段が安かった。業者も利幅が取りやすいうえ、ジャスミンのさっぱりした香りがウチナーの人たちの嗜好に合っていたものだから、しっかり定着してしまったようです。これじゃイカンと、県内でのお茶づくりはだいぶ奨励されたようですが、生産は減り続けています。

そういえば琉球紅茶で名を馳せた内田智子さんの沖縄ティーファクトリーは金武町にあるし、この沖縄には、個性がきらり光る、おいしい発酵茶が生まれる素地が十分にあると思います。

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