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今日は一日中の曇り。原稿をいくつか仕上げてひと段落。お茶は熊本の釜炒り茶だった。あー疲れたなぁ、って時にいただくのは、だいたいこのお茶になります。

春一番、奥さんと2人暮らしの家に、家族みんながやってきてお茶摘み、お茶刈りをする。丸釜の煎り葉機でする釜炒り茶、青柳製にこだわってきた船本さんはもう70才になる。初日の午後手摘みした、その年最初の葉っぱはひと晩寝かせて、2日目の朝から作業を始める。九州の釜炒り茶は、昔から自然な萎凋をさせてつくっていた。これが品質規格などではよくないとされ、生産効率の面から、みんな連続式の炒り葉機に転換していった。蒸しみたいなお茶ばっかりになってなぁと、九州らしい昔の香りのする釜炒り茶がよかよ、と話す。

船本さんも連続式を使うけれど、手摘みは趣味たい、といいながら、400度を超える高温の釜を操って、昔ながらの丸釜のお茶にする。仕上がるのは3時ごろ。お漬物、おせんべい。ほかのみんなもお茶摘みから戻ってきて、その年一番の“お茶”をする。今年のはさっぱりしたなぁ、とか、香ばしかなぁ、とか。笑顔でおいしいねぇ、よかったねぇ、喜びながらいただくお茶をする。とにかくほっこりする香ばしさから、つくりたての一番茶ならば、清らかな、あの新茶の香りが広がってくるのだ。

ここで何年も、お茶をいただいてきたけれど、思い浮かぶのはいつも、この2日目の団らんです。ありがとう。

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